よこログ

20代男性による雑記ブログです。皆さまのお役に立つ情報をまとめていきます。

誰にでもオススメ!現代の人間関係を考える「友だち幻想」をレビュー

本記事はちくまプリマー新書

『友だち幻想 〜人と人の〈つながり〉を考える』

をレビューする内容となっています。

多様な人間関係に悩む現代の学生の皆さまから、

ビジネスや子育てまで、幅広く学びがある

良い本でしたので是非読んでいただきたい1冊です。

 

今年2021年の目標は読書、どうも'よこ'です。

 

1月のモチベーションって1年で1番高いですよね。

張り切って10冊ほど購入した本の中から最初に読んだ

菅野仁さん著『友だち幻想』をレビューします。

 

生活をしていく中で、人間関係に悩む場面は多くありますよね。

私自身、職場や友達との関係性に考えたり悩んだりしています。

この本を読んで、自分が頭の中でごちゃごちゃ考えていた

とりとめのない思考が著者の解説のおかげでスッキリしました。

さすが教育大学の教授、教えるのが上手いと感じました。

2.3時間で読めるボリュームですので是非読んでいただきたいです。

 

 

本の目次はこんな感じ↓

第1章   人は1人では生きられない?

第2章  幸せも苦しみも他者がもたらす

第3章  なぜ「友だち」のことで悩みは尽きないのか

第4章 「ルール関係」と「フィーリング共有関係」

第5章   熱心さゆえの教育幻想

第6章   家族との関係と、大人になること

第7章 「傷つきやすい私」と友だち幻想

第8章   言葉によって自分を作り変える

 

なるほど、第4章あたりから難しくなりそうだな、、

と思いながら読み始めました。

今回は印象に残った章を抜粋して「友だち幻想」とは

なんぞやっていう事を説明していきます。

 

第1章   人は1人では生きられない?

よく聞きますよね、このフレーズ。またか、という感じ?

 

①確かに、当然1人では生きていけないよな。という方、

②いやいや、生きるだけならイケるんじゃない?という方、

どちらの考えもありますよね。

 

傾向としては、

・年齢が比較的上で、地方で暮らしている方が①の考え

・年齢が比較的若く、都会で暮らしている方が②の考え

のようになりやすいそうです。わかるような気がします。

 

昔はいわゆる「ムラ社会」という文化があり、

近隣に住んでる人の顔と名前がわかる、

困りごとがあれば相互に助け合うことが当然でした。

しかし近年は都会を中心に全国どこにでも便利なサービスがあります。

コンビニ、ネットショップ、Uber Eats などなど。

部屋から出ずに仕事ができ、サービスを受けられる時代です。

 

筆者はこのように説明しています。

現代社会において基本的に人間は経済的条件と身体的条件がそろえば、一人で生きていくことも不可能ではない。しかし、大丈夫、一人で生きているとおもんでいても、人はどこかで必ず他の人々とのつながりを求めがちになるだろう」

そして、「現代の生き方」と「これまでの人間関係づくりの作法(ムラ社会)」

をバランスよく理解して取り入れていくことが重要だとしています。

 

 

◯第2章  幸せも苦しみも他者がもたらす

幸せの本質って何?という章です。下記のように分けられます。

 

①自己充実(自分の能力が最大に活かされていること)

②他者との交流

    A:交流そのものの喜び(親子関係、恋人関係、友人関係など)

    B:他者からの承認(褒められたり認められること)

 

確かにこのようなことで幸福は生まれますよね。

 

そして、幸福の裏返しが苦しみとなります。

例えば、職場で能力が発揮できない、楽しさがわからない。とか

親や恋人、友人と喧嘩してしまった。とか

陰口に気づいた、無視された。とか。  つらいですね。

 

◯第3章  なぜ「友だち」のことで悩みは尽きないのか

第1章であったように、ムラ社会の考えが残っている影響で同調圧力が生まれ、

仲が良いはずなのに何故か緊張関係にあるということが発生します。

その場では仲良く見えるのにいなくなると陰口を言う、というようなことも

経験があるのではないでしょうか?これをスケープゴート理論といいます。

陰口を言われたく無いために、常にグループから外れないように気を遣って

生活をしていませんか?緊張関係というのはこのような状態です。

 

結局、「濃密な関係から、あえて距離をおくこと」が大切なんじゃないかと、私は考えています。距離の感覚は重要です。

自分の意思で、近過ぎて疲れる距離感を広げてみませんか?ということですね。

そして、童謡の「1年生になったら」の歌詞'友だち100人出来るかな'のように

誰とでもみんな仲良くなれる事なんて『幻想』に過ぎない、とも述べています。

 

「友だち幻想」

 

◯第4章 「ルール関係」と「フィーリング共有関係」

ここからは次のステップに進みます。

人間関係においても密にならないためにはどうするべきか。

まずは見出しの「ルール関係」と「フィーリング共有関係」を解説です。

 

・ルール関係

他者と共存する時に最低限守るべきのルールにのっとった関係

例えば、他者から物を盗むな 他者を殺すな

 

・フィーリング共有関係

ノリ の関係

例えば、みんな同じようなノリで同じように頑張ろう

 

「フィーリング共有関係」はこれからの関係性構築において

あまり流行らない考えとなりそうですね。

個性や自分らしさを重んじる時代になってきています。

 

じゃあ「ルール関係」で決まりをガチガチにしてしまえば

人間関係もうまくいくか?と問えばそれも違うというのも分かります。

そもそもルールというのは「最低限を守ったらあとは自由!」のように

自由とセットになっています。逆に、自由はルールがなければ発生しません。

「自分が良ければそれでOK」の人がいるとメチャクチャになりますからね。

 

グループで活動をする時などは、

昔の誰かが決めたルールや前例をまずは取っ払って考える。

というのが大切です。本当に大事な本質のみルールとして決めてしまえば、

あとは距離感を見ながら自分達に心地よい関係を形成することができます。

人によってルールに対する感覚がかなり違うということを理解しておくこともとても大切です。ルールに関しては、そういうものを守ることにていこうかんのない人、さらにルールを守っていることそれ自体によろこびを感じるような人と、そういうものに縛られることをとてもいやがる人がいます。あまり無意味にルールを増やしていくと、集団や組織全体のモチベーションが下がってボロボロと脱落者が増えていきます。

特に仕事のチームや部活動の時に役に立ちそうだと感じました。

 

◯第7章 「傷つきやすい私」と友だち幻想

結論「友だち幻想」とは

自分のことを100%受け入れてくれて理解を得られるなど、幻想です。

こういう醒めた意識を持つことが自分を楽にするかもしれません。

しかし、だからといって他者に不信感を持つ、というのとは違いますね。

「人というものはどうせ者なのだから、百パーセント自分のことなんか理解してもらえっこない。それが当然なんだ」と思えばずっと楽になるでしょう。

その上で良い信頼関係を築いていくことが大事です。

 

以上、「友だち幻想」についてまとめてみました。

超抜粋して書きましたので、もっともっと「なるほど!」と思う箇所が

たくさんある本です。是非お手に取って読んでいただきたい1冊です。